将棋の名人だった大山康晴さんのお話です。
あるとき、大山名人はスランプに陥り、それまで連勝していたのに、突然負けが続き始めました。
名人は悩みました。
毎日、将棋の研究をして対局に挑みましたが、やはり負けの連続でした。
そこで、名人がしたことは何だと思いますか?
速く歩いてスランプ脱出?!
名人は、将棋の事を一切忘れることにしました。
そして毎日、ただ、速く歩くことだけを心がけました。
毎日、速く歩く、それだけを続けました。
そして、対局に挑みました。
すると、不思議なことに、勝ちをおさめたそうです。
速く歩くことで、名人は長いスランプを見事に脱出しました。
体と脳はつながっている
体と脳は神経と繋がっていますので、速く歩くと、脳の歯車も早く回転します。
だらだら歩くのではなく、できれば大股で速く歩いてみましょう。
また、頭と体の速さは、比例します。
机でじっとしていても頭の回転が速い人は、席を立つと動きが速く、頭の中がゆっくりしている人は、席を立ってものろのろします。
歩く速さだけでなく、普段、マイペースに行っている行動のスピードもあげてみましょう。
日常の何気ない行動をスピードアップしてみましょう。
「歩く」と勉強に集中できる
人間は、歩くと、脳の中にあるセロトニンという物質が活性化するので、ストレスも抑えられます。
有名な学者さんや哲学者の方など、頭を使う仕事をする人の中に「散歩」を習慣にする人が多い事も偶然ではありません。
哲学者として有名なカントは、毎朝必ず同じ時間に散歩をしていたそうです。
あまりにも毎日キッチリと決まった時間に散歩をしていたために、近所の人はカントの散歩姿を時計代わりにしていたそうです。
近所の人が「時計の時間は狂うことはあるが、カントさんの散歩の時間は狂わない」と言ったという逸話もあるくらいです。
勉強の休憩時間には、ちょっと外へ出て近所を散歩してみましょう。
驚くほど気分が一新して、再び勉強に集中する気分がわいてくるのを実感できます。
脳科学者の池谷裕二さんはその著書「受験脳の作り方」において
「歩くことでやる気を持続させるɤ波が脳内に放出される」
という事実を示しています。
言い換えれば、歩くことでどんな単調な勉強でも、やる気を出して継続することができるのです。
「歩きながら音読」をすると頭の回転が速くなる
また、頭の回転を速くする方法として、音読をしながら歩く、というものがあります。
音読をすると、ただ本に書いてある文章を目で追うよりも、より一層理解が深まります。
更にそこに「歩く」という行為を加えます。
試しに「歩きながら音読」をして、その後教科書を読んでみて下さい。
きっと、今までよりもスラスラと読め、その効果にびっくりするはずです。
歩くことには色々な良い効果がありますので、是非、お試しください。