国語の点数が上がらず困っている人も多いと思います。
そのために、テクニックが書いてある書籍や教材に走る人も少なくないでしょう。
でも、良く考えてください。
テクニックを知らなくても勉強ができる人はたくさんいます。
そして、冷静に考えてください。
点数を取るテクニックが将来に役立つでしょうか?
テクニックが悪いとは言いません。
しかし、基本的な読解能力もないのにテクニックだけ先に覚えても、成果を出すことは難しいと思います。
読書レベル別の学習ステップ
遠回りはいくらでもありますが、楽をして能力を上げる方法はありません。
地道に努力して能力を上げる以外の方法はありません。
まずは、読書レベルを考えた時に次のようなステップを踏んでいくことが考えられると思います。
- 音読:実際に声に出して読む方法(小学生レベルの読解)
- 黙読:声に出さずに頭の中で音読する方法(中学生レベルの読解)
- 黙読+視読:ある程度優しい文章、何度も出てくるフレーズを目で追うだけで理解し、そうでない部分は頭の中で音読(つまり黙読)する方法(高校生レベルの読解)
- 視読:頭の中で一切音読しない読み方。文章を画像と捉えて理解していく、とても難易度の高い読み方。
多くの大人は3の黙読+視読を実践されていると思います。
自分にとって優しい文章は視読の割合が大きくなって、難しい文章の場合は黙読の割合を多くして読む。
そして語彙力が増していくにしたがって少しずつ視読の割合を増やしていく事ができます。
教科書を読めない中学生
実際に見ていると、中学生でも教科書をまともに読めない人がかなりいます。
実際に声に出して読ませると全くスラスラ読めない場合があります。
簡単な漢字が読めないことに驚くことも少なくありません。
つまり、それは小学校低学年で文章を音読する作業を怠ってしまった事と、漢字練習をさぼってしまったツケが出てしまっているのです。
原則は「わからない所やできない所まで戻って勉強する」ということでした。
そういう人はまず文章をしっかり声に出して読む練習をすることと、今よりも下のレベルの漢字ドリルをコツコツとこなすことです。
小学生レベルの漢字や文章をスラスラ読めなくては、中学生の国語の成績を伸ばせません。
冷静に考えれば当たり前の事なのですが、できないところまで戻ってやらない人は多くいます。
黙読でつまずいている中学生
次は、小学生レベルの読解(音読)は問題ないといいう方で、中学生レベルの読解(黙読)でつまずいている人の場合です。
中学生にもなれば勉強の量も増えてなかなか漢字だけに時間を費やすことは困難です。
そこで、まずやってほしいことは、自分が興味のある本、好きな作家の小説を読んでください。
ここで一番大切なことは「興味がある!」「好きだ!」という気持ちです。
音楽に興味がある人なら音楽雑誌でもかまいません。
雑誌でも何でも文章が書いてあればかまいません(マンガは除外します)。
そして最初はできるだけ優しい文章で書かれているものから徐々に難しいものを選んでいくことが大切です。
背伸びをしては絶対にいけません。中学生であれば、赤川次郎や村上春樹などの作家から読み始めるべきです。
漢字もそれほど多くなく、誰にでも分かりやすい文章で書かれています。
また、ファンタジー小説や、ゲームを小説化したものでも良いです。
歴史が好きな人は、司馬遼太郎がおススメです。
歴史小説といえば難しい漢字がたくさん出てきて大変なように思われるかもしれませんが、司馬遼太郎の作品は漢字もそれほど多くなく、本当にわかりやすく書かれています。
とにかく感動したいという人なら浅田次郎の作品がかなりおススメです。
まずは、本を選ぶ時に、パラパラとめくってみて、漢字があまり詰まっていない本を選ぶ事が重要です。
読解力はあるけど成績があがらない中学生
次は、中学生レベルの読解力はあるけど、なかなか国語の成績が上がらないという方です。
こういう方は確かによく読書をしているのだけど、易しい文章で書かれたもの、もしくは娯楽の要素が強いものばかりを読んでいるような気がします。
自分よりすこし高いレベルの本(少し難しいと感じる本)を読んでいかないと読解力も語彙力もアップしません。
ですが、難解すぎる物や興味のないものはなかなか読めません。
ですからやはり興味のあるもので、自分のレベルよりもやや難しいものを読むようにして下さい。
また、これはどんな人にも言えますが、わからない言葉で意味が全く想像できないようなものが出てきたら、すぐに辞書で調べましょう。
後で調べるよりも「知りたい」と思っている脳の鮮度の良い時に調べた方が脳科学的に良いそうです。
今は、スマホや電子辞書で調べる事も出来ますので、それほど手間はかからないはずです。
もちろん難しい感じが多く出てくるときは逐一調べていると読解の支障になるので絞って意味を調べていきましょう。