「学歴遺伝」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは、総計的に学歴が高い家の子供は学歴が高くなるという現象を言っています。
確かに、私たちの周りを見渡してみるとこの現象は顕著です。
しかし、これは本当に「遺伝」なのでしょうか。
今日は、そこを探っていきたいと思います。
高学歴は遺伝と関係ない?!
人間のDNAは動物に比べると、先天的に決定されている部分はきわめて少なく、多くの行動パターンや思考パターンは後天的要素によって決定されるそうです。
と言うことは、子供が親の「遺伝情報」を受け継いで頭が良くなって高学歴になるということではないのです。
例えば、学校を全く卒業していない人のクローン人間も、英才教育を施せば東大やハーバード大学に合格できるかもしれません。
このように人間の能力の大部分はもともと決まっているわけでもなくて、生まれた後の環境によって決定されるのです。
高学歴家庭は、学歴の重要性を知っている
それではなぜ学歴遺伝という現象が起こってしまうのでしょうか。
一般的に高学歴な家庭には、勉強にお金と時間をかける文化があります。
親は自分の学歴や所得が、若い頃の勉強と努力によって得られたものだということを、身にしみて知っているので、国が何と言おうと、子供の能力を高めるために小さなときから勉強と努力の価値を子供の心に植え付けます。
また、単なる享楽より、経験教育に投資する傾向があります。
また、子供は親に習う傾向がありますから、親が普段勉強する姿を見せていると、子供も、無意識にそれに習う傾向があります。
逆に親が勉強せずに遊んでばかりいると、子供もそれに習ってしまいます。
もちろん高学歴な家庭は教育費を惜しみません。教育費は一時的には消えていくお金なのでもったいないように感じるかもしれませんが、実はこれは次の代へと相続税のかからない遺産を残しているのと同じことなのです。
このような家庭ではやはり、教育に投資する額は「将来への貯金」と考えられています。
結局、学歴は「遺伝」しないのです。「遺伝」ではなく「環境」が勝負なのです。
子供が自主的に勉強できる環境を整備することで、親の学歴に関係なく子供を伸ばすことができるのです。
また、極論すると「親がどうだから」「家庭がどうだから」と言うのも関係ありません。
このことに気づいたならば、このような環境を自分の手で作り出せばよいわけですから。