冬の風物詩になっていた「センター試験」が廃止されようとしています。
今年の大学入試センター試験は寒波到来の中、1月14日(土)・15日(日)の2日間にわたって行われました。
昨年より1万2199人多い57万5967人が、全国の691カ所の試験場で試験に取り組みました。
1日目は北日本を中心に、2日目の15日は西日本でも、積雪の影響などで、交通機関の運休や遅れが相次ぎ、試験開始時間の繰り下げなどが行われました。
大学入試センターによりますと、試験時間の繰り下げは過去10年間で最大規模となり、計約1万2千人に影響があったとのことです。
センター試験といえば、これに代わる新しいテストの導入が提言され、話題の渦中にあります。
現在、大学入試改革の議論が進んでおり、国は2020年度から大学入試センター試験に替わる、新たな共通テストを始める方針です。
各大学に個別試験の改革を求めてもいます。
背景には、これからの時代に求められる力を学生に付けてもらうよう、入試や大学・高校の教育を変えたいという考えがあるようです。
2020年からセンター試験に代わる新たな制度へ
最後のセンター試験が行われるのは2019年の予定です。つまり翌年の2020年からはセンター試験がなくなる形になります。
今小学校6年生〜中学校1年生の層が、一番最初に新制度を体験する子どもたちになるのです。
新しい取り組みである「達成度テスト(仮称)」とは?
センター試験に代わり始まるのが「達成度テスト(仮称)」と呼ばれる取り組みです。
これは基礎レベル・発展レベルの2種類に分けられる予定となっています。
基礎レベルは高校生であれば身につけておいてほしい学力を測るテスト、発展レベルは大学側が求める学力水準によってつくられるテストとなるようです。
具体的な内容についてはまだ検討段階ではありますが、高校2年生から複数回にわたって受けられるようになる、など、一発勝負だったセンター試験とは大きく変更される点が出てくるようです。
どんな問題が出されるかについては、まだまだ議論中といったところですが、単純な知識を問うだけではなく、身につけた知識をどこまで活用できているか、といった「定着」度合いを見るようなテストになる、という可能性もあるようです。
また、何か特定の教科についてのみ問う問題だけでなく、たとえば地理の問題の中で、数学的な複雑な分析を行う必要がある問題を出す、といった「総合型」の問題も検討されているようです。
今から準備できることは?
まだどんなふうに変わるかも決まっていない中では、準備の仕様がない、というのが正直なところです。
ただこれまでのような試験対策だけでは十分とはいえず、本質的に内容を理解するような勉強をしていく必要があります。
また英語についてはリーディング・ライティング・スピーキング・ヒアリングの4能力がこれまで以上に必要となってくると言われています。
より実践的な力を身につけていく必要が出てくるものと思われます。
1990年から導入され、多くの高校生が受けてきたセンター試験制度も、質の高い問題を作り続けることが難しいといった理由から、ついに廃止の方向へと舵が切られました。具体的にどのように変わっていくかはまだ議論中ではありますが、小学生のお子さまをもつかたは引き続き注目の情報となっています。